不適切動画についてのメモ


くら寿司などの不適切動画についてのコメントメモです。メディアでの解説につくったものなので、単なる箇条書きですみません。14日18時すたみな太郎さんのデマ事件について追記

●背景
・2013年のバカッターはTwitterで画像
スマホが高校生大学生に普及。写真投稿をTwitterでバンバンやってトラブル
・2019年の不適切動画はInstagram中心で動画
Instagramのストーリーズが多い。動画投稿が当たり前になった時代
・バカッターなどSNSの問題写真投稿は高校の情報リテラシーの授業で教えられている
一定の効果はあったはず(以前より減ってはいた
ただ下記の理由でInstagramのストーリーズは身内だけで見るものと錯覚していた可能性が高い

●投稿する理由
・Instagramのストーリーズは「24時間で消える」仕様
そのために心理的ハードルが低く、問題動画でもアップしてしまう
・高校生大学生にとって普段のSNSは「他の人は誰も見ない内輪のネットコミュニティ」
10人20人程度の小さなネットコミュニティ
普段は他の人は誰も見ないし干渉もしてこない
完全な内輪だけのコミュニティだと誤解してしまう
・仲間内でウケる動画を投稿したいという心理
仲間内で笑い合う、ネタとして消化する投稿を狙っている
最初は面白動画などをアップするがエスカレート
わざと問題行為や常識はずれの動画をあげて仲間内で「あいつあぶねーな」と話題にしたい
それがエスカレートして今回のような事態に
・LINEグループなど完全な内輪で流した動画もあったかもしれない
見た誰かが「これはひどい」とTwitterに投稿
炎上加速装置であるTwitterで大炎上

●今回問題投稿が集中した理由
・すき家の動画がフック
今までの問題動画が発掘されてTwitterでさらされた
・Instagramのストーリーズは拡散しにくい構造
昨年夏までInstagramにはリツイートやシェアのような拡散機能がなかった
夏から拡散の機能が実装されたが、元の投稿時に禁止する機能がある
そのためInstagramの問題動画はあまり拡散・炎上してこなかった
・それがTwitterで晒されたことにより炎上
すでに対処していた企業もTwitterでの炎上で再び謝罪せざるをえない状況に

●YouTube問題動画との違い
・YouTubeは最初から多くの人に見てもらう再生回数目的
・今回の問題動画は「身内仲間だけに見せるネタ動画」が第三者によって拡散されたもの

●すたみな太郎のデマ事件はまとめサイト問題へ発展
・客による問題行為動画がTwitterで炎上(元動画はInstagramのストーリーズだと思われる。Twitter投稿者は鍵アカに)
・元動画のTwitter投稿者はすたみな太郎だとは言っていなかった
・7日深夜か8日早朝に掲示板、もしくはTwitterで「すたみな太郎」というキーワードが加わる?
・8日になって掲示板のまとめサイトが「すたみな太郎でも炎上」という記事を流す
・Twitterで炎上
・その後、すたみな太郎の江戸一が当社のものではないと公式否定
・デマ拡散により企業イメージがダウンする流れ
・まとめサイトの安易な投稿、トレンドブログの信憑性などの問題

●対策
・中高校生のネットリテラシー教育
バカッターへの教育はすでにある
しかしInstagramストーリーズなどの新機能(3年前開始)には間に合っていない
新機能・新サービスを含めた教育が必要
・従業員への教育
従業員へのネットリテラシー教育
単純にペーパーを渡して禁止するだけではダメ
勉強会をするにしても給料を払ってやるべき
企業もお金を負担して意識を高めることが大切
→単にバイトが悪いで済ませてはダメ
・SNS運営会社側の対策
投稿時の警告表示
自動プログラムと人間の目による監視体制は必要

●くら寿司の「一石を投じる」刑事・民事訴訟について
・問題の従業員に責任を問うのは妥当
・ただし民事で高額な賠償まで求めるのは違うのではないか?
そもそもキッチンをバイトだけに任せる体制でいいのか?という点
社員がいるべき
・人手不足の中、単純に罰するだけではなく企業も従業員もネット教育にしっかり取り組むべき

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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