Facebookの友達リストを悪用?ケンブリッジ・アナリティカの不正疑惑についての出演メモ


ケンブリッジ・アナリティカの不正疑惑が問題になっています。経緯は以下の通り。
ザッカーバーグ氏、沈黙破る-FBユーザーへのリスク周知徹底

この問題について、TBSラジオ・Session-22でコメントしました。そのためのメモを載せておきます。メモ書きですみません。

●今回の問題での大きな疑惑
「エコーチェンバーの強化にデータを使ったのではないか」

・エコーチェンバーとは、同じ政治的志向、考えなどを持っている人の間で反復的に流されることで、間違った情報・極端な言動が、大きく拡散・強化されること
・イメージの固定に繋がる

・アメリカ大統領選挙でも、クリントンへの誹謗中傷などで起きていた

・Facebookはそもそも「エコーチェンバー」が起きやすいサービス
・「いいね」や「コメント」をすることで、表示回数が多くなる
・そのため自分が「いいね」「コメント」すると、その人の表示が多くなり、同じような政治的意見・極端な投稿がより多く表示される

・今回の問題では「クイズ」でその人の政治的志向・性格を診た上で、友達リストから同様の人を探していく
・友達同士をつなぐマッピングリスト(人が繋がる地図)を作る
・中心となるインフルエンサー的な人がみつかるのでその人を利用する、もしくはその人がシェアしそうな記事を量産する

・これにより狙った記事の「いいね」「コメント」が増える
・いいねとコメントが増えると表示回数が多くなる
・具体的には、クリントン候補の誹謗中傷がより広がる

●Facebookの友達リスト・いいねリストの悪用
・友達一覧、いいねをした人リストの作成
・それにより同じような政治的志向、意見を持ったクラスタを把握できる
・それを利用して政治的キャンペーンをはることが可能に

●そもそもネットを使う限り「個人情報」は常に収集され、利用されている
・Facebookの詳細情報、友人情報、いいね
・InstgramやTwitterのつながり情報
・Googleの検索履歴、位置情報
・特にGoogleとFacebookは、情報をベースに広告ビジネスを展開している

→私たちは個人情報を「売る」ことで無料でこれらのサービスを利用を利用している
→その覚悟が必要

●個人情報の漏れ・利用をゼロにすることはできない
→完全に防ぐには、それこそ「ネットを利用しない」という極端な方法が必要
→現実には無理だろう
→自分が完璧なデータ保護を行っていても、今回のように友人関係でたどられる

●ある程度の方策
・人に見られてはどうしても困る情報はネットに登録しない(非公開であっても)

●Facebook対策

・Facebookのログイン情報を使うサービスは「アクセスする情報一覧」を確認
→「自分だけ」にする
→自身がなければFacebookでのログインを使わない

・Facebookの「性格診断」「アンケート」「クイズ」をしない
→「アプリの連携」が出てきた時点で絶対にクリック・タップしない

・Facebookの設定を見直す
→友達リストを非公開に
→投稿を友達限定に、いいねやアプリ情報を公開しない

●フェイスブックのデータから分かることとは?
・友達リスト
・いいねした投稿の情報
・そこからわかる交友関係

・交友関係から政治的志向なども推測できる
→過去の日本の事件「ぱよぱよちーん」あるセキュリティ会社の幹部がFBで問題投稿を繰り返したり、誹謗中傷を行っていた
→いいねをした人から、同様の志向を持っている人がわかってリスト化された
→逆にそれを批判したFB投稿にいいねをした人もリスト化された

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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