携帯電話ポータビリティ、アンケート調査まとめ

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携帯電話のナンバーポータビリティについて、様々な形でアンケート調査が行われています。シェア変動を占うために、最近発表されたアンケート調査をまとめてみます。随時更新して行きます。

MNP利用者は若年層・シェア変動は小幅?:エムレポート

■2006年2月7日発表 各社アンケートをまとめた形での調査
■調査結果のポイント
・MNPはメールアドレス、PHS未対応、年間契約割引引継ぎ不可などの問題点あり
・auが圧勝の見方と言われいるが、すでに若年層はauのユーザーが多い
・移行希望するのは若年層が多いと予測できる
・よってauへの移行はあまり多くなく、シェア変動は小幅に収まる可能性が高い
・コンテンツ各社がMNPの弱点をサポートするビジネスへ参入
・現在の3社に端末を供給するシャープ、ソニーエリクソン、三洋に注目
■入手先:Mレポート(有料のため詳細は閲覧不可)
★筆者のコメント
今までの他のアンケートをまとめたリポートであり、新規のアンケートはありません。PHSがMNP対象外とありますが、これは正確ではなく「PHS事業者に参加の意向があれば対象になる」と考えたほうがいいでしょう(ケータイBESTの総務省インタビュー、及びパブリックコメントでの総務省コメントによる)。
ポータビリティでの移行希望者が若年層で、au利用者が多いためにシェア変動は少ないかも、とのこと。ちょっと三段論法っぽいのですが、まあ嘘ではないでしょう。「auが断然有利」「シェア変動は少なそう」というのがポイントです。

55%が番号ポータビリティで乗り換え?:米調査会社NDP Group

■2006年2月1日発表 11,722人に対するオンライン調査
■調査結果のポイント
・アメリカと日本では携帯電話の利用スタイルが異なる
・55%の人がMNPでの移行を希望していると回答
・NTTドコモとauは解約の影響を受けにくく、ボーダフォンは不利
■入手先:The NPD Group: Japan Offers Key Lessons for Wireless Market Innovation in the U.S.(英語)
IT Proの記事
★筆者のコメント
55%が移行希望とのことですが、これは「移行に興味がある人」なのかもしれません。オンラインで1万1千人にアンケート調査と言っているのですが、どのサイトでの調査なのかよくわからないところが微妙。「MNPへの感心は高い」「ボーダフォンは不利になりそう」というところだけ見ればいいでしょう。

実際のMNP移行利用者は10%程度?:野村総研

■2006年1月10日発表 2005年夏に2,500人に対して訪問留置調査
■調査結果のポイント
・MNPでの移行希望者は予想外に少なく全体の10%強、概算で958万契約程度
・NTTドコモユーザーの移行希望者
    auへ移行したい:312万契約(約6.3%)
    ボーダフォンへ移行したい:96万契約(約1.9%)
・auユーザーの移行希望者
    ドコモへ移行したい:198万契約(約8.3%)
    ボーダフォンへ移行したい:33万契約(約1.3%)
・ボーダフォンの移行希望者:
    ドコモへ移行したい:171万契約(約11.4%)
    auへ移行したい:148万契約(約9.9%)
・メールアドレスやコンテンツの問題があるため移行者は少なくなる模様
・MNP利用手数料は販売店が負担する?
・年間契約の解約料は移転先キャリアが補填する可能性も
・端末販売のインセンティブ競争は業界全体に悪影響を与える
・2006年の年末から2007年冒頭は買い控え現象が起きそう
・MNP制度スタート直後はスロースタート
・徐々にポータビリティでの移行が進んで行く
■入手先:野村総研
■記事掲載先:ケータイWatch 携帯電話の番号ポータビリティ、利用はごくわずか!? NRIが試算

★筆者のコメント
「予想外に少ない」というコメントが先行していますが、10%も移行するのはショッキングな数字です。900万人ものユーザーが、携帯電話会社を変更すれば、業界にとっては大変なことです(それを各社見込んで、対策を立てているわけですが)。
アンケートの数字をまとめると、番号ポータビリティでの各社の契約台数は
NTTドコモ:マイナス39万契約(約0.7%のマイナス)
au:プラス229万契約(約9.7%のプラス)
ボーダフォン:マイナス190万契約(約12.7%のマイナス)
この通り「auの一人勝ち、ボーダフォンの一人負け」という結果になっています。NTTドコモはほぼ現状維持と考えていいですね。ボーダフォンにとってはショッキングな数字で、一気に190万契約も失うとなると大幅な減収になりそうです。それを見込んで、ボーダフォンは回線レンタル事業(MVNO)を考えているのでしょう。
また2006年11月のMNP導入時期の商戦についても触れています。


野村総研の予想では「スロースタートになるのでは?」とのこと。その後に、新規事業者の参入を控えていますし、既存キャリアはユーザー離れを避けたいためにあまり動かないと予想しています。
香港での携帯電話ポータビリティが、大規模な値下げ合戦になり、各社が赤字になったのを見ていますから、あまり派手には動かないだろうともコメントしています。様々な面で興味のある調査結果です。

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト
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