auシンプルプランは従来料金より安くない

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(11月11日追記)
NTTドコモの新しい買い方である「バリューコース」「ベーシックコース」については、日経トレンディネットで分析しました。よろしければご覧下さい。
NTTドコモの905iが頭金ゼロで買える!? プランによる損得を含め、新料金プランを徹底検証!

なおauの新しい買い方・料金である「フルサポートコース」と「シンプルコース」についても、日経トレンディネットに分析記事を書いています。

auの新プランで主流になると思われる「フルサポートコース」を徹底的にチェック!
auの新料金プラン「シンプルコース」は本当におトク? 利用シーンを想定して料金を徹底検証!

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 2007年10月4日に、auが携帯電話端末の購入方法を変える「au買い方セレクト」を発表しました。すでに各所で詳しく解説されていますが、「シンプルコース」の料金を分析したので、簡単にまとめておきます(詳しくは後日、日経デジタルARENAに掲載される予定です)。

従来料金とシンプルプランを比較

 au買い方セレクトでは、2つのコースがあります。
・フルサポートコース
従来と同じような端末価格・従来通りの料金、端末は2年継続利用が原則
・シンプルコース(シンプルプラン
端末は2万円ほど高いが、料金が「低廉になる」とされる

 このうちシンプルコースは、いわゆる分離プランにあたるもので、販売奨励金を減らし(ゼロではないが)、毎月のケータイ料金を下げようというもの。このコースには「シンプルプランS」と「シンプルプランL」という2つの基本プランが新設されました。

●シンプルオレンジS
月額 1,050円、通話料 15.75円/30秒
●シンプルオレンジL
月額 2,625円、通話料 10.5円/1分
●加入条件
au機種変更・新規契約時にシンプルコースを選んだ場合。もしくはフルサポートコースで2年以上同じ機種を使った場合

 シンプルコースは端末がおおむね2万円高くなります。その代わり料金が安くなるはずなのですが、本当なのでしょうか。比較グラフを作ってみました。

シンプルプランは安くない

 比較の相手は、従来までのCDMA1X WINの料金で、基本料が50%OFFとなる「誰でも割」を適用したものです。通話分数を基にして、最適な基本プランを選んだと仮定したグラフを作成しています。
 最適なプランを選んだ理想的な料金であり、必ずしも正確な比較ではないことをご承知おきください。青は従来までのプラン(誰でも割)、赤はシンプルプランです(シンプルプランも同様に最適なプランを選択してのグラフ)。

シンプルプラン

 赤のシンプルプランと、青の従来料金(誰でも割)は拮抗しています。抜き抜かれつで、どちらが優勢とも言えません。なんとシンプルプランは安くなかったのです。ケータイライターの石川温さんがKDDI新料金のここが「分かりにくい」「安くない」で指摘されていますが、平均的な利用分数(MOU)である140分前後では、赤のシンプルプランのほうが高くなっています。もっともユーザーが多い利用分数が、高く設定されてしまっているのです。

 これではシンプルプラン(SとL)の魅力は半減します。端末が2万円も高くなるのに、料金が大して変わらない、いや場合によっては高くなってしまうのでは、意味がないからです。

 ただし従来料金では、主要な基本プランだけでも5段階あります。上記のグラフは、この5段階の選択が最適な場合の例です。間違ったプランを選んでしまうと、上記のグラフよりも高くなってしまいます。
 それに対してシンプルプランには、シンプルプランSとシンプルプランLの2段階しかありません。選択ミスが起きにくいので、上記のグラフ通りの料金になる可能性が高くなります。
 料金プランを切り替えるのが面倒、いちいちプランのことを考えたくない、という人には、シンプルプラン(シンプルコース)はちょうどいいかもしれません。

ソフトバンクの対抗プラン「シンプルオレンジ」は?

 これに対抗してソフトバンクも、「シンプルオレンジ」を出しています。

●シンプルオレンジL
月額 2,425円、通話料 10.5円/1分
●シンプルオレンジS
月額 850円、通話料 15.75円/30秒
●加入条件
ソフトバンク3G携帯電話を新規契約または機種変更等で、新スーパーボーナスを使って購入された時(新スーパーボーナス一括も対象)

以下の部分、私の明らかな勘違いで間違いが含まれています(ツッコミでご指摘いただきました、ありがとうございます)。検討し直してから訂正する予定です(10月7日追記)。

 月額基本料をわずかに安くしているのが特徴ですが、もう一つ見逃せない点があります。それは「シンプルオレンジ」のほうが、加入するのに抵抗感がないこと。シンプルオレンジは、新スーパーボーナスで端末を買った場合に加入できます。新スーパーボーナスは、現時点ではソフトバンクの端末販売の主流であり、2年3ヶ月使うのであればとても安く端末を購入できます。
 それに対してauのシンプルプランは、端末が2万円前後高くなる「シンプルコース」を選んだ人か、「フルサポートコース」で同じ機種を2年以上使った人に限られます。加入するのに敷居が高いのです。しかも高い敷居を越えてみたら、大して安くなかった(シンプルプランS、シンプルプランL)ということになりかねません。
 このプランでの比較に限れば、ソフトバンクが対抗で出してきた「シンプルオレンジ」のほうが優れていると思います。


 上で紹介したグラフを見てもわかる通り、auのシンプルプランの料金は、従来料金を意識して作られています。


従来料金をリバランスして、大きく違わないラインを狙った料金になっているのです。私の推論ですが、auはユーザー一人あたりの収益(ARPU)を、下げたくないのかもしれません。収益を落とさずに、単純で選びやすいプランを作った、それがauのシンプルプランなのでしょう。しかし分離プランなのに、料金が安くならないのでは、分離する意味がないのですが‥

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト
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