ドコモ「バリューコース」「ベーシックコース」とは?


(11月11日追記)
NTTドコモの新しい買い方である「バリューコース」「ベーシックコース」については、日経トレンディネットで分析しました。よろしければご覧下さい。
NTTドコモの905iが頭金ゼロで買える!? プランによる損得を含め、新料金プランを徹底検証!

なおauの新しい買い方・料金である「フルサポートコース」と「シンプルコース」についても、日経トレンディネットに分析記事を書いています。

auの新プランで主流になると思われる「フルサポートコース」を徹底的にチェック!
auの新料金プラン「シンプルコース」は本当におトク? 利用シーンを想定して料金を徹底検証!

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 2007年10月26日のNTTドコモ社長記者会見で、ドコモの新料金・端末購入方法変更の発表がありました。ソフトバンクのスーパーボーナス、auの買い方セレクトに続き、NTTドコモも「端末購入方法と料金をリンクさせる」ことを始めたのです。

わかんない。本当にわからない。

 この新料金は、1か月ほど前から出る出ると言われてきました。ソフトバンクの「新スーパーボーナス」やauの「買い方セレクト」が難解だったので、ドコモは単純でわかりやすい方法にしてくれるのでは?と期待していました。

バリュープラン
 ところが残念なことに期待ハズレ。またもや訳のわからない仕組みになってしまっています。いや仕組み自体は、それほど難しくないのかもしれません。
 ユーザーにとって最大の興味である「どれが安いのか?」「今までと比べて安いのか、高いのか?」「どれが得なのか?」ということが、全然分からないんです。推測と予想を交えた上で、2つのコースを見てみます(暫定版です。記者会見と広報に聞いた話だけをベースにした推測記事ですので、間違った内容を含んでいる可能性があります)。

バリューコースとベーシックコースの無理矢理概要

 10月26日に発表された「バリューコース」と「ベーシックコース」は、11月1日に発表される905iシリーズ以降の新製品から投入される端末の買い方です。905i以降のケータイを買うには、どちらかを選ぶ必要があります。各コースの内容は、インプレスさんの記事をご覧ください。
ドコモ、端末価格で月額利用料が変わる新販売方式
といっても、記者発表のままですので、正直よくわからないでしょう。ものすごーくぶっちゃけて言うと、こんな感じです。

バリューコース:端末は今より高くするぜー。その代わり、料金安くすっから、ヨロシク。

ベーシックコース:端末は、たぶん今と同じ価格だぜー。でも、2年は続けて使い続けろ!(あんまりヤル気なし)


予想がかなり混じってますが、こんな線で正解だと思います。中村社長が会見で言っていましたが「バリューコースを強く押したい。半分以上にしたい」とのこと。つまりベーシックコースを売る気はあまりないんです。実際のところ、得なコースとは言えません。

ベーシックコースの端末実売価格は従来と同レベル?

 ベーシックコースの公式な表記は以下の通りです。

ベーシックコース
基本使用料は従来通りで、端末の初期費用を抑えたコース
■端末購入価格を15,750円割引
■2年間のご利用が前提
■従来料の料金プランを適用

「15,750円割引」を見ると、従来よりも安くなるように感じますが、実際はそうではありません。従来よりも高い定価が設定され、そこから15,750円割引となります。それで実際の端末価格の予想を、広報の方に聞くと「店頭に出てみないとわかりませんが、割引後で従来の価格に近い線になるのではないか?」とのこと。ベーシックコースは販売奨励金が従来通りあるスキームですから、価格は同じ程度になるのでしょう(これ、まったくの見込みです。905iが店頭に並んでみないと正確なことは言えません)。

 ベーシックコースは、なんだか色々書いてありますが、ぶっちゃけ
端末:従来と同じ程度
料金:従来と同じ
縛り:2年
になるものだと考えていいでしょう。

 ただし2年以内に機種変更すると、ペナルティとして解約料を取られます。
ベーシック解除料
1ヶ月目:15,120円
2か月目以降:1か月ごとに630円ずつ低減
ちょっとキツイですね。「2年は機種変更できない」と覚悟したほうがいいかもしれません。

バリューコースの料金割引額は実質「840円」

 メインとなるバリューコースを見てみます。まず端末価格ですが、ベーシックコースに比べて15,750円高くなると予想されます(ベーシックコースでの割引額が15,750円のため)。ベーシックコースでの端末価格は、従来と同レベルになると考えれば、

バリューコースの端末価格:従来より15,750円高い(予想)

と考えられます。1万5千円高い端末を買うわけですが、それに対して3つのメリットを用意しています。
バリューコース

●基本料が840円安くなる(ひとりでも割★50、ファミ割★MAX50)
公式には基本使用料が1,680円安くなります。しかし実際には、基本使用料が50%OFFになる割引プランがありますから、「従来より基本料が840円安くなる」と考えるのが正解です。

●期間を限定せず、永遠に840円安くなる
ここが注目ポイント。840円安くなった基本料は、永遠に続くのです。2年のローンが終わった後でも続きます。似たようなサービスとしてソフトバンクの「新スーパーボーナス特別割引」がありますが、こちらは24ヶ月でストップします。単純に割引期間だけ見れば、ドコモのほうが優れています(他の条件があるため全体比較はできない)。

●24回払い・12回払いのローンが可能(手数料・金利ゼロ)
割賦制度を導入し、24回払いと12回払い、手数料・金利ゼロで購入できます。このローン払い額は次のような特徴があります。
・ローン払い額はNTTドコモが決定し全国統一となる(NTTドコモ広報による)
・適宜見直しされる(NTTドコモ広報による)
・頭金は販売店に任される
ソフトバンク・新スーパーボーナスとの違いは、頭金にあります。新スーパーボーナスは頭金ゼロ円が基本ですが、NTTドコモ・バリューコースはそうではないようです。新製品であれば頭金は発生することになりそうです(あくまで予想)。
 たとえば頭金12,800円、月額ローン840円、といったスタイルでしょうか。

2年以上使うなら絶対的にお得

 バリューコースの割引は、2年を過ぎても続きます。そのため同じ端末を2年以上続けるのであれば絶対的にお得です。プランSSなら、月額基本料はわずか1,050円で、無料通話1,050円。プランMになると、月額基本料2,625円で、無料通話4,200円になるのです(いずれもファミ割MAX50、ひとりでも割50適用の場合)。基本料を大きく超える無料通話があって、通話料も安いのですから最強でしょう。
 同じケータイをずーっと使い続ける人にとっては、理想的なしくみです。

頭金&ローンがわからないので高いか安いか不明

 ところが、バリューコースの頭金がいくらなのか、ローン払い額がいくらなのか、という重要ポイントが現時点では不明です。ショップによって異なるため一概に言えないとのことですが、それ以上にしくみがフィックスしていないという理由もありそうです。

 905iシリーズは11月1日に発表されますが、その時点でもローン額は発表できない模様です(ドコモ関係者による)。頭金とローンの金額がわかるのは、発売予定である11月26日の直前となりそうです。

 バリューコースの損得勘定は、以下のデータがないとわかりません。
・端末の定価(店頭価格)
・頭金
・ローン払い額
これと毎月の割引額(1,680円、実質的には840円)を比較しないと、従来方式との違い、ベーシックコースとの違いが出てこないのです。冒頭に「わからない」と書いたのは、これが理由です。

 ただし類推できることはあります。

・バリューコースの端末は、ベーシックコースより15,750円高い
・基本料半額割引でのバリューコース割引額は、1か月840円
・上記の割引を、2年間で計算すると840×24ヶ月=20,160円

表面的ではありますが、2年間使うのならバリューコースのほうが得になりそうです。1年未満で機種変更する人は計算していないのでわかりませんが、2年前後使うのであれば、バリューコースにするのがよさそうです。

しかしまあ、なんとも難しいものを出してくるもんです。


こんなことなら、今までの端末価格・料金体系のほうが、ずっといいですよね。意味不明で安いか高いかわからないものを買うより、多少高くても納得して払いたいものです。今回のドコモ新料金については、もうちょっと詳しく分析・調査した上で、他のWebにアップするつもりでいます。この記事は、とりあえず暫定版であることをご承知おきください。

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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