マジメに仕事しろ!PLCパブリックコメントの官僚対応に激怒する


私はPLC・高速電力線通信の問題では、感情的にならないように努力してきたつもりです。しかし今回ばかりはキレます、激怒しています。

家庭内LANのかわりに、100V電力線を使うPLC・高速電力線通信のパブリックコメントに対する総務省の見解が示されました。
高速電力線搬送通信に関する研究会報告及び高速電力線搬送通信と無線利用との共存条件案に係る意見の募集の結果
すでに報道されている通り、集まったパブリックコメントの総数は1,331件。500通ぐらいかなと予想していましたから、かなり多くて驚きました。パブリックコメントを集めてからすでに2回研究会が開かれており、パブリックコメントに対する総務省(実際には高速電力線搬送通信研究会)の見解が、12月26日付けで公表されています。
「高速電力線搬送通信と無線利用との共存について(案)」に対して提出された意見の概要及びそれに対する研究会の見解(PDF)

このPDF開いてみてください。なんとひっどいことに、意見に対してまともな返答をしていません。複数の意見、それも視点の異なる意見をジャンルでバサッとまとめてしまい、それに対して一括回答です。しかも指摘したことに対して何の答えもせず、単に研究会報告書(パブリックコメントの対象となったもの)をコピー&ペーストしているだけ。もうほんと手抜きも極まれりです。こんな仕事なら、私が3日でやってあげますよ。ジャンル分けして報告書の一部をコピー&ペーストするだけなんですから。

PLC・高速電力線通信を推進するつもりなら、それもよかろうと思います。しかしパブリックコメントで集まった意見には、きちんと対応しなくてはダメ。賛成の意見にすら「賛成いただいたものと考えます」とかいう、ふざけた回答をしています。アホか! 賛成・反対の問題じゃないんでしょ? 意見をもらって反映するのがパブリックコメントなんでしょう? だったら「賛成いただいたものと考えます」なんて答えないで、各社の意見にきちんと対応しなくてはダメです。
反対意見への回答がすげないのは仕方ない部分もありますが、改良すべき点をまとめた意見に対しても十把ひとからげのコピー&ペーストをするのは、頭脳が全然動いていない証拠です。
総務省には失望しました。パブリックコメント手続きに対する質問には、とても親切に答えてくれていて、がんばって仕事をしているんだなと感心していました。でもわずか3週間弱で、パブリックコメントに対する回答を出してくるとは手抜きも手抜き、単なるアルバイトの仕事にしか思えません。



上のの画像は総務省の回答の一部。これ以下にもパブリックコメントがあって、なんと35件以上の意見に対して、右側の文章だけで一括回答しています。


趣旨が全然違う意見を、単なる「許容値以外の共存条件が必要であるとする意見」としてまとめちゃっています。
ごめんなさい、あまりにひどい物が出てきちゃったので、感情的になってます…。反省してもう一晩考えてみます。

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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