au発表会 音楽配信「LISMO」の実力は?


2006年1月19日に行われたau新製品発表会の目玉は、音楽配信総合サービスの「LISMO(リスモ)」。言ってみれば「ケータイ版のitunes&iPodサービス」のようなもので、ケータイミュージックプレーヤー向けの様々なサービスを用意しています。
●パソコンで作成&ダウンロード
WindowsXP専用(2000はダメ)ソフト「au Music Port」で、CDから音楽ファイルを作成。またケータイからの着うたフルをバックアップできる。
●パソコンで購入→ケータイへ
4月スタート予定の「DUOMUSIC STORE」で、音楽をダウンロード販売。そのままケータイへ転送できる。
●ケータイでの音楽ファンSNS
「うたとも」という名前で、ユーザー同士の音楽コミュニケーションサービスを提供。自分がよく聴く曲を登録すると、同じ仲間が表示されたり、レビューが見られる。ケータイでの音楽専用mixiのようなものと考えればいいだろう。

音楽を全面に打ち出しての展開で、小野寺社長も「音楽に強いau」であることを力説していました。これに対応するケータイでもっとも強力なのは「MUSIC-HDD」という名前が付いた「W41T」。4GBのハードディスクを積んだハイスペックモデルで、約2,000曲の楽曲を保存できます。閉じたままでクレードルに置くと、パソコンの専用ソフト「au Music Port」が自動的に起動し、転送・バックアップが可能です。静電パッドキー、Bluetooth、323万画素カメラなど意欲的なフィーチャーを満載。ボディはやや大きめですが、au春モデルの中心になることは間違いないでしょう。
このほかにデザインケータイの「neon(フラットなパネル面にLEDで文字を表示する)」、ワンセグ対応の「W41H」など、一挙に5機種を投入してきました。

auが音楽再生だけでなく。パソコンでのソフトウェアからネット販売までをトータルに提供するわけで、かなり積極的な取り組みで驚きました。
ちょっと気にかかるのは、音質の問題。LISMOという新しいシステムになっても、基本的なクオリティは着うたフルと同じです。ビットレートはHE-AACの48bpsであり、正直に言って「高音質」とは言えません。
もちろんケータイでの音楽としてはハイクオリティですが、音楽プレーヤー単体として考えるなら今一つ不満が残りそうです。どうせなら96kbpsの高音質版も提供するようにしたらいいのにと思いますが、今のところその計画はない模様です。itunesで持っている楽曲を変換することも公式にはできません(CDからのリッピングは可能)。
LISMOがどこまでユーザーに浸透するか、とても興味深いところ。


他社よりも音楽サービスに踏み込んだわけで、LISMOが成功するかどうかで今年後半のシェア争いにも影響しそうです。
(現場での即時レポートを予定していましたが、恥ずかしいことにノートPCの電池切れでできなくなりました…ゴメンナサイ。ああ情けなや)
●参考サイト
携帯ビジネス研究家としておなじみの三田隆治氏のブログ。LISMOとDuogateについての可能性を詳しく取上げいる
auの「LISMO」~いよいよはじまった音楽配信戦国時代

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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