PLC案のスタンスは「導入は自己責任。あなたの家で何が起きても知りません」


PLC高速電力線通信に対するパブリックコメントの提出期限まであと10日。ぜひPLCの実態を知って、パブリックコメントの提出をお願いします。

すでに色々なWebサイトやブログで、PLC研究会の案に対する問題点があげられています。「こんなに問題点があるのか!」と驚くほど、研究会の案にはツッコミどころが満載。まとも全部指摘したら、数十ページにになってしまいそうです。

私がもっとも気になっているのは自家障害の問題です。ラジオNIKKEIのブログなどで詳しく指摘されています。

自家障害とは、PLCを導入した家庭・アパート・マンションの中での問題のこと。今回の案は「自家障害は検討しない」というスタンスです(ラジオNIKKEIのブログ参照)。なんとまあ、こんな乱暴な考え方の「案」をよくも出せるものです。
極端な表現をすれば「PLCを入れたことで、あなたの家に何が起きても知りません。あなたが好きで入れたんですから」ってこと。そんな家電のシステム、今までにあったでしょうか。事業用のシステムならともかく、一般ユーザー向けのサービス・製品ではありえないお話です。
それでもまあ、自己責任はよしとしましょう。でも何が起きる可能性があるのか、ハッキリさせなきゃいけません。短波ラジオは聞けるのか、中波ラジオに出るノイズは大丈夫か、他の家電に影響がないのか、タコ足配線でもいいのか、それを実証しなくてはダメ。その上で「こういう影響がありますよ(もしくは影響がありませんよ)」とまとめて、PLC導入者が納得できるように示す必要があります。そこまでやらなければ「自己責任で入れてね」とは言えません。

もう一つ別の話ですが、この案ってPLCモデム本体についての規制がまったくないような気がするんですが、私の誤解でしょうか? 実験データが並んでいる割には、PLCの大元になるモデムの規格・規制の話が全然出てこないのですが…(勘違いでしょうか? 指摘おねがいしますです)。内容が不正確なので削除しました。

参考サイト
PLC問題を考える(ラジオNIKKEIブログ) 自家障害について詳しく解説されています
Preserve spectrum against PLC/BPL interferences
日本アマチュア無線連盟の11月8日の声明
HF-PLC Watching Site 上芳夫・許容値作業班主任がこぼした言葉 「モデムの情報がほとんど得られない状況で決めざるを得なかった」

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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