[PLC高速電力線通信って何だ?/PLC最新情報] / 2006-11-13 (月) 19:20:00

PLC製品登場「壁コンセント直結」が前提に(PLC発表会前編)

この記事をはてなブックマークへ この記事をライブドアクリップへ

取材メモはこちら→PLCアダプター発表会速報メモ
後編はこちら→松下PLCは「屋外へ垂れ流し」「障害窓口ナシ」(電力線通信アダプター発表会後編) PLCアダプター無料配布のリリースはこちら→PLCアダプターをモニターに無料配布:電力系プロバイダ


日本初となるPLC高速電力線通信の製品が、松下電器からデビューしました。10月4日の省令改正で電力線通信が解禁になってからわずか1か月半。そして12月9日には早くも店頭に並びます。
なんという早ワザでしょう。松下電器は周到な準備を整えていたようで、すでに商品パッケージも用意されていました。まずは発表された製品のアウトラインから行きましょう。

2台セットで2万円強。個人ユーザ向けに販売

発売されるPLCアダプター(モデム)は2種類あります。そのほかに、PLC用にフィルターを搭載した電源タップなどが発売されます。

PLCアダプタースタートパック「BL-PA100KT」

PLCアダプター
PLCアダプターの親機(マスターアダプター)と子機(ターミナルアダプター)を1台ずつ、計2台のPLCアダプターが入った製品です。価格はオープンですが、店頭では2万円前後になるだろうとのコメントがありました。アメリカでは199ドルで発売されており、ほぼそれと同じ線に合わせてきています。月産台数は3,000台を予定。
PLCを使うためには最低限、この2台パックを購入する必要があります。

PLC増設用アダプター「BL-PA100」

PLCターミナルアダプター
こちらは増設用のPLCアダプター。子機(ターミナルアダプター)として増設するものです。オープン価格ですが「店頭では13,000円前後になるのではないか」とのコメントがありました。
写真はスタートパックの子機ですが、増設用のものとまったく同じです。親機・子機の違いはソフトウェア上だけのものかもしれません。

PLCタップ(松下電工 2007年3月発売予定)

PLCタップ
松下電工が発売するPLCアダプター内蔵の電源タップ。コンセントに差し込むだけでPLCが使えるようになる製品です。ノイズフィルターを内蔵しており、家電製品からのノイズの減らす効果あり。こちらのほうが実用性は高そうです。ACコンセントが3個口付いています。
またこの他に、イーサネットのハブにもなるPLCアダプターも参考出品されていました。

PLC内蔵ACアダプター(松下電工 参考出品)


こちらはルーターやADSLモデムなどのACアダプターに、PLCアダプターを内蔵したもの。光やADSLの機器の電源として使い、同時にPLCアダプターとして利用できます。PLC最大の敵であるACアダプターからのノイズをできるだけ減らし、かつコンセント直差しでスピードを確保しようとしう製品でしょう。参考出品で発売時期はわかりません。

組み込み型PLCモジュール

PLCモジュール
高速電力線通信
またHD-PLC方式の組み込み型モジュールも発表されました。春に登場すると思われる各社のPLCアダプターに搭載されるほか、PLC内蔵家電製品にも投入されることになるでしょう。
チップは松下開発のもので、32ビットRISCプロセッサによるもの。またノイズ抑制のアナログ部分を一体化しているため、そのまま家電製品に組み込むだけでPLCに接続できます。3次元実装モジュールにより、従来のものより面積を40%削減しているとのことでした。

公称スピードは55Mbpsも、実際の環境では????

さて問題のスピードですが、次のように発表されました。

●理論上の最高通信速度(PHY速度):190Mbps
●UDPでの最高速度:80Mbps(通信評価装置によるもの)
●TCPでの最高速度:55Mbps(FTP速度によるもの)

たぶん新聞やニュースサイトでは「190Mbps」と報道されるでしょうが、実際にはこんなスピードは出ません。インターネットで実際に使うには、どんなにがんばってもTCP速度の「55Mbps」が限界となります。
しかも55Mbpsというのは公称であり、ベストエフォートの数字です。ADSLのコマーシャルが40Mbpsと言いながら、実際には数Mbpsしか出ないのと同じで、その家庭の環境や接続方法によってスピードは落ちてしまうのです。
HD-PLC
ちなみに10月のCEATECでは、「最大45Mbps」と発表していました。これが10Mbpsアップしたのは「ネットワークソフトウェアの改善による(パナソニックコミュニケーションズのカテゴリーオーナー・小林英次氏)」ものだそうです。

ハイビジョン伝送をアピール。でも実際には難しそう

発表会の会場では、例によってハイビジョンの伝送デモが行われていました。今回の製品は型式指定を受けたもので、今までの研究設備とは異なり、実際のサービスに合わせたものです。
PLCハイビジョン
現状でのハイビジョン伝送は、おおむね24Mbpsが必要です。PLCで24Mbpsを出せますよ、というアピールになります。松下は以前から「トリプルプレイ」をうたっています。トリプルプレイとは、ハイビジョン+パソコンでのネット接続+IP電話が同時にスムーズに使えますよ、という理想形です。PLCでこの「トリプルプレイ」ができることを、発表会でも盛んに宣伝していました。

壁コンセント直結を推奨。テーブルタップだと大幅ダウン?

BL-PA100KT
では本当にトリプルプレイは可能なのでしょうか。発表会の会場では、当然ながらできているわけですが、実際の家庭では様々なスピードダウンの要因があります。
それについて説明員の方に聞いたところ、
「パナソニックの実験(一軒家)では、家庭内の壁コンセントのうち、90%で30Mbps(トリプルプレイができるスピード)が出ている」とのこと。
テーブルタップを入れるとどうなるのか?という質問に対しては「それは実験していないのでわかりません」と答えていました。

つまりハイビジョン伝送を楽しむには「壁コンセント直結」が原則となるわけです。これは説明員の方が繰り返し発言していたほか、先ほどの小林英次氏も「できるだけ壁コンセント直結をお客様にお願いしたい」とコメントしています。
壁コンセント直結でないとスピードが出ない、どうしても延長や分岐が必要なら、松下電工のPLCタップを買ってください、ということのようです。
通常の家庭の壁コンセントは2個口しかありません。PLCアダプターを直結すると、残りは1個。この1個でパソコン・モニター・AV機器などの電源を供給することになります。かなり不自然で無理がありそうです。

後編はこちら→松下PLCは「屋外へ垂れ流し」「障害窓口ナシ」(電力線通信アダプター発表会後編)

このエントリーを含むはてなブックマーク  [ ツッコミの受付は終了しています ]
ツッコミ
1: PLC嫌い (11/13 19:08)
箱を用意するだけならすぐできますね。中身は米国で販売しているもので代用すればいいですし。要するに,一番乗りの名乗りを上げることが目的でしょう。12月9日も「発売予定」ということですしね。
2: どつかれさんです (11/14 00:12)
 こいつはすごい物が出てきましたね、1年ほど前には耳にしていたのですがついにでましたか。
すぐさま、光並みのスピードが出るのかと思っていたのですが、ちょっと遠慮がちみたいですね。
このシステムを使って新しい商品を開発しようと思うのですが、
たとえばコンセントに刺し込むと音楽が鳴るドライヤー、風の音が五月蝿いので没。
電源を入れると勝手にウィニってくれる、やんちゃな外付へHD。犯罪の匂いがするので没。
電撃でウイルスを除去してくれる便利なルーター、生き物ではないし、何よりパソコンが
行っちまうので没。
充電中のコンパクトカメラに勝手に画像を記録させて撮った気にさせてくれるふざけたカメラ、
カメラの意味が無いので没。
どれにしますか?
3: mikami (11/14 01:02)
>PLC嫌いさん
なんかアイ・オー・データさんもPLCアダプターを出すそうです。
これのOEMかもしれませんが、予想外に動きが早い感じです。
>どつかれさん
玄箱+PLCのサーバーとか、出てきちゃったいやですねー。
コンパクトカメラがいいかも。PLCとうさつ専用みたいな。
きっとネット経由でHackされますなー。

とりあえず、仕事以上にがんばっちゃったので寝ます。
誤字脱字リンクミス記述ミスは放置して、明日の朝直しにしまーす
4: 通りすがり (11/14 01:48)
ジャストシステムの件でのアンチ松下の連中と連合でも組めば?
5: PLC嫌い (11/14 21:01)
アイ・オー・データもですか。さすがは日本企業。右に倣え,ですか。恥ずかしいなぁ。
トラックバック
1: クレージーこんてすたーズ (Crazy Contesters)/PLCモデム発売と無料モニタ (11/15 08:44)
11月13日 松下電器産業株式会社 「HD-PLC」方式(注2)を採用したPLCアダプターを発売を発表ライター三上さんのBlogによると ・PLC製品登場「壁コンセント直結」が前提に(PLC発表会前編) ・松下PLCは「屋外へ垂れ流し」「障害窓口ナシ」(電力線通信アダプター発表会後編) ・PLCアダプターをモニターに無料配布:電力系プロバイダー まずは様子見と既成事実の積み上げのためだろう。 総務省の形式認定はどうなったのだろうか? 以下のプロバイダーを使用されている方は、モニターに応募して実際のノイズ、HF帯からの電波による誤作動などをチェックしていただきたいものです。  中部テレコミュニケーション株式会社  株式会社ケイ・オプティコム  株式会社エネルギア・コミュニケーションズ  株式会社STNet  九州通信ネットワーク株式会社  沖縄通信ネットワーク株式会社 詳細は上記のライター三上さんのBlogをご覧下さい
この記事のリンク元 http://jh3ykv.rgr.jp/mt/ (32) http://wind.ap.teacup.com/je1cka/ (31) http://japan.cnet.com/news/tech/trackback/0,2000056569,20313047,00.htm (20) http://radio-electronics.cocolog-nifty.com/ (16) http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/27466/ (16) http://kiyonari.vox.com/ (14) http://labs.ceek.jp/hbnews/ (12) http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/infotech/27466/ (11) http://pws.sakura.ne.jp/mt/ (8) http://b.hatena.ne.jp/keyword/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88 (8) http://ymiwa.exblog.jp/ (6) http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/itbiz/27466/ (5) http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20313047,00.htm (4) http://d.hatena.ne.jp/caprin/ (4) http://reader.livedoor.com/reader/ (4)